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zoom RSS 方術の玉手箱其の五十三が出来ました。

<<   作成日時 : 2018/08/09 17:35   >>

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交感神経と発汗
発汗は人間特有の体温調節機能で温熱性発汗の場合は脳内にある視床下部が体温の上昇を感知して、発汗の指令を出し、交感神経の末端からアセチルコリンという神経伝達物質が分泌され、汗の分泌器官である汗腺の受容体に結合すると、汗腺は血管から血漿けっしょう(血球を除いた液体)を汲み取って汗を作り皮膚から出します(図87)。
発汗には体温を下げる為の温熱性発汗とストレスなどによる精神性発汗があります。精神性発汗はよく「手に汗を握る」と云うように、主に手の掌ひらと腋わきの下、足の裏から発汗します。俗に謂う「冷ひや汗あせ」で副腎機能が弱い為にストレスなどの緊張が続くと、驚き恐れから腎が傷られ汗が漏れ出ます。「霊鹿参」+「八味丸」の補腎剤を用います。
味覚性発汗(唐辛子などの辛味を食べると出る汗)は陽気の強い食べ物を食べた為に、身体の陽の部位の頭部や顔から汗が出ます。体温を下げる温熱性発汗は、手の掌と足の裏以外のほぼ全身、特に体幹部から発生します。
汗をかきにくいのは能動汗腺のうどうかんせんの数や環境の適応力で変化します。汗をかかない人は汗腺(能動汗腺)の働きが弱い。冷房で冷やされる=冷房が効いた部屋にいると汗が出ないように身体が働く。汗腺の退化=能動汗腺の数が少なく汗をかけなくなった。食生活の乱れ=アイスコーヒー・アイスクリーム、冷たいサラダ、などの冷食で胃が冷えて汗が出難くなります。脾と胃の冷えには「複方霊黄参丸」+「人参湯」を常服させます。
自律神経失調症・うつ病=向精神薬を常服している人は、向精神薬が交感神経の興奮を抑制するので、毛穴の発散作用が弱くなり氣がこもります。「救心感応丸氣」+「排膿散及湯」で皮下組織あたりの気の発散を良くさせます。
腎臓疾患・高血圧=降圧利尿剤を常服している人は利尿作用で体内の水分が減少して肌がカサカサする陰虚の状態になります。補陰作用の「亀鹿霊仙廣」+「十全大補湯」を常服させます。
コリン性蕁麻疹=ストレスなどによる交感神経の興奮からアセチルコリンが過剰に分泌され、べたべたしたアンモニアなどの老廃物を含んだ濃い汗が出てその刺激で毛穴の周囲に赤い丘疹が無数に出ます。暑がりの汗っかきに多く、玉のような汗が噴き出ます。内熱と湿熱によるもので、「霊黄参」+「葛根黄連黄芩湯」を用います。
浮腫みの水が排出される時には、気・血・水の順番で動き、先ず気が通じてから血が廻めぐり水が運ばれます。
多汗症で汗が出過ぎる人には、汗が出ることで身体が疲れ切ってしまって(気虚の状態)いるので補気剤を使います。「霊黄参」+「防已黄耆湯合補中益気湯」を用います。
夏バテ・夏負け・熱疲労
夏場の暑さで汗腺が開き過ぎ、汗のかき過ぎから「脱汗だっかん」という状態になる場合があります(図88)。この状態を津液しんえきが失われた亡津液ぼうしんえきと云います。津液とは人体の正常な水液の総称で、津は清く希薄なもので皮膚体表などを滋潤させ、液は粘稠で藏府を滋養し円滑にさせます。ひどい下痢や利尿などで水分を失うと「脱水だっすい」と言う状態になり、これも「亡津液」と云います。
脱汗の時には「生脈散」を主として用います。「生脈散」は、曲直瀬道三まなせどうさんの「衆方規矩しゅうほうきく・中暑門ちゅうしょもん」には「暑に因りて暴にわかにたおれ~くらみ、絶ゆる者を治す」と書かれております。中暑=暑気中あたり、昏倒、短氣=息切れ、呼吸困難、口禁こうきん=口が閉じて開けられない、昏迷こんめい=意識不明、四肢拘急ししこうきゅう=手足の引きつり、神くらみ=神氣(心気)が傷られて、意識不明になる、絶ゆる=脈が絶える。熱中症は、熱に中あてられて体内にこもった熱を排熱させる為に霊黄参+白虎加人参湯を、亡津液を補う為には霊黄参+生脈散を用います。
立秋を過ぎると猛烈な残暑の為に夏負けや熱疲労などが出て来ます。夏負けの処方としては「清暑益気湯」がありますがエキス剤で代用する時には、「霊黄参」+「補中益気湯合生脈散」をノドが渇く場合には「霊黄参」+「白虎加人参湯」を顔など上半身に熱を持ち暑がる場合には、「霊黄参」+「補中益気湯合黄連解毒湯」を用います。
夏季は「葛根湯」や「麻黄湯」などの発汗剤は原則禁止です。前立腺肥大の老人に使用すると尿閉を起こすリスクが高まります。尿閉を起こしやすい老人には滑石剤の「猪苓湯」や「当帰貝母苦参丸加滑石」などを用います。
発汗は能動的に出るので疲れます。真夏日が長期間続くと熱疲労が起ります。老人は陰虚による尿閉で尿道に熱を持ち尿がタラタラになります。下半身(下焦)の余分な熱を排熱させる「霊黄参」と心臓・腎臓両方の邪熱を冷ます、「清心蓮子飲」を常服させます。
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内 容 ニックネーム/日時
中国人で、柴暁明と申します。初めましてよろしくお願いします。もしよければ、「方術の玉手箱」を中国語に直しして自分のブログに掲載すればよろいいでしょうか。
ご承諾をお願いします。メールはkenlower2008jp@hotmail.com.ご返事をお願いします。
柴です。
2018/09/02 00:02

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